【 音楽と暮らす家 】

音楽が大好きなご家族のための住宅です。お客様は県外にお住まいで、設計から完成までオンラインで進めた作品です。土地区画整理事業内の敷地で、周りにまだ他の家が建っていないため、外部に木製のフレームを建てることで視覚的に自宅と外部の区分をはっきりさせています。

道路からは家の中が見えすぎないように、壁で視線を遮ります。隣地にはどのような建物が建つか分からない状況なので、まずは塀を建てなくても落ち着いて暮らせるようにこの木製フレームを導入しました。

またこちらのフレームは手が届く高さにしているので、これを手掛かりにグリーンを這わせたり花をハンギングしたり、簾(すだれ)を吊るしてテラスを涼しげにすることもできます。

南に向いた大きな窓面は一部を窪ませて、屋根のかかったテラスにしています。コーヒーを片手に持って出るリラックスタイムをイメージした外部空間です。冬の期間には、高く降り積む雪との間に、少し距離を置けるスペースになってくれます。

玄関ドアのすぐ横から、雨にぬれずに出入りできるビルトインガレージがあります。玄関ポーチにはスクリーンとなる壁を立てて、風雪を防ぐとともにプライバシーと防犯にも考慮したデザインにしました。

玄関を入るとすぐ、リビングを中心にした大きな吹き抜けの空間が広がります。ピアノや声楽、オーディオの音がここから生まれて、家中に届くようになっています。

この家は柱、梁といった構造材に青森県産のスギやマツを使用していて、木のいい匂いがします。存在感のある現しの木の階段も、職人技による美しい仕上がりです。

リビングにオーディオ、レコードやCDなどのコレクションを並べるためのオーダーシェルフを設置。スピーカーの大きさや各コレクションのボリュームなど、打ち合わせを重ねて製作しています。

お引っ越し後に、実際に住まわれている様子です。設計時のイメージ通りに、想いのこもった品々が並べられています。

吹き抜け上部には東の空を望む大きな窓があって、朝日がたっぷり入ります。またリビング隣の和室は引き戸が大きく開くので、リビングとつなげて使うこともできます。和室のそばには水廻りを設けて、将来の寝室にもなるよう配慮しています。

和室内は間接照明になっています。シナの木目を活かした天井がやさしく光って、寝転がっても眩しくありません。

リビングの奥に続いているダイニングとキッチン。どちらも南に面した窓があってとても明るいです。

対面式のシステムキッチンの奥には、ビルトインガレージから直接入ってくることのできる勝手口ルートがあり、物品の搬入や外気温での食材ストックに便利です。

キッチンから見たダイニングやテラスの眺め。大きな窓がたくさんありますが、自立式のパネルヒーターや床埋め込みのパネルヒーターが要所要所でさりげなく冷気を遮断しつつ、快適な居住性能を確保しています。

高い位置にある窓から光が入る洗面脱衣室。大きな鏡や間接照明を設けたホテルライクな仕様です。洗顔しやすい大型のベッセル式洗面器を広いカウンターに載せて、収納もたっぷりと設けています。

吹き抜けに面した2階に書斎があります。普段は吹き抜け周りのギャラリーになっていますが、戸を閉めれば独立したワークスペースになります。

こちらも吹き抜けに面した2階の主寝室。壁面を飾るオブジェのような、青森県のブナから作られたブナコ照明が優しい光を放ちます。

2階で眺めがよいギャラリーは、家の中の色々な空間とも視覚的につながって、広さを感じさせてくれます。

こちらのお客様は、関東にお住まいになりながら私たちとつながり、家づくりを進めました。オンラインでの家づくりも楽しく進められます。

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